酔いどれ音楽&読書日記―一人の愛好家の独白

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zoom RSS ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 『第9』 12/24

<<   作成日時 : 2016/12/24 20:08   >>

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今年のコンサート納めで、ブロムシュテット/N響の第九。あまりの名演に心が震え、恥ずかしながら、涙腺が崩壊しっぱなしだった。N響の第九はこれまで何度もきいてきたが、今日の演奏が断トツベスト。何度となく聴いてきたブロムシュテットの実演の中でも、今日の第九がベストかもしれない。神ってるとしか言いようがなかった。至高のベートーヴェンだった。

ベートーヴェン
交響曲第9番 ニ短調 『合唱つき』

すでに89歳のブロムシュテットだが、その立ち姿は矍鑠たるもの。立ったまま、全曲暗譜で指揮する。第一楽章の冒頭から、N響は力感いっぱいに弾ききり、吹ききっており、NHKホールのデッドのアコースティックが全く気にならない。ブロムシュテットの解釈は現代的に洗練され、テンポは早めでエネルギッシュ。アンサンブルには付け入る隙がなく、雑駁な箇所は何一つない。

第二楽章の推進力にも目を見張ったが、きょうのハイライトは、間違いなく第三楽章だ。こんな澄み切った演奏は聴いたことがない。テンポはアレグロに近いほど速いが、ビブラートを抑え目に弾く弦の透明感は、言葉で表現できない。この上なく澄み切った名水のようだ。心が洗われるなんていう、陳腐な次元ではない。ブロムシュテットの指揮者としての、一つの集大成を聴いた。

フィナーレで、チェロとコントラバスが静かに「歓喜の歌」の主題を弾き始めたところで、ついに涙腺が崩壊した。なんと素晴らしい旋律なのだろう。心のザラつきは消え去り、魂が救済されるような、喩えようのない慈愛に包まれた。それ以降の感動は、もはや自分の拙い国語力では言語化できない。ただ、これだけは言いたい。この世界に、第九という音楽があって、本当によかった。第九がある世界に生まれることができて、本当によかった。ベートーヴェンに言いたい。かけがえのない、人類普遍の遺産を生み出してくれて、本当にありがとう。要は、そう感じさせる演奏だったのだ。ベートーヴェンがスコアに詰め込んだ全てを表現してくれた、ブロムシュテットとオーケストラ、ありがとう。

東京オペラシンガーズの合唱は、一部アンサンブルが雑に感じた部分もあったが、さすがに高水準。独唱陣は押し並べてインパクトが弱く、とひわけテノールがやや貧相だった。ただ、演奏が演奏だけに、独唱にスタンドプレーをされるのも厄介なので、結果オーライなのかもしれない。

きょうはNHKホールの3階席で聴いたが、演奏の真価は存分に伝わった。体調不良にたたられていたが、不調を忘れて音楽に没頭した。

激動の一年も間も無く終わる。日本も、世界も、大きく動いた年だった。来年は、どんな年になるだろう。そして、どんなコンサートとの出会いが待っているのだろう。そんなことを思いながら、大混雑の渋谷の街を歩いた。

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