酔いどれ音楽&読書日記―一人の愛好家の独白

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zoom RSS 【雑記帳】疑惑の現場を歩く 〜 大阪・豊中 「 瑞穂の国記念小學院」にて 3/17

<<   作成日時 : 2017/03/17 20:31   >>

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あまりにも報道が盛り上がってきて、ワイドショーも、ニュース番組も、「籠池劇場」一色である。籠池というオッサンのパーソナリティの「面白さ」に依る部分が大きいとは言え、今回の事案は、2つの大きな構造的問題を明らかにした。1つは、「長期政権下で膨張・腐敗しきった権力の(虚像的な)実像」であり、もう1つが、「私学という運営形態を隠れ蓑とした、恐るべき思想教育・人格陶冶の実態」だ。これらは、厳密に言えば別個の問題である。後者に関して言えば、まず現代ドイツなどではありえない。ナチズムを匂わせた瞬間、大きな力により叩き潰されるだろう。

真相究明は国会論戦などに委ねることとして、ごくごく私的な興味と関心から、「瑞穂の国記念小學院」の開校予定地に行ってきた。感じるところがすごく大きかった。

最寄駅は阪急庄内駅。普通電車しか停まらない。駅頭に降り立つと、いかにも大阪の下町的な雑多な街並みが開ける。頭上を、けたたましい轟音とともに高度を下げた航空機が通り過ぎる。伊丹空港までごく近く、着陸の動線の真下に位置する地域だ。

こじんまりとした庄内の町を予定地へ歩く。豊中は大阪でも比較的洗練された地域かと思っていたが、開ける街並みはかなり庶民的で、一杯引っ掛けるような小汚い(失礼!)飲み屋や、文化住宅が、小さな街区に密集している。大阪音楽大学の最寄駅でもあるため、弦や管のケースを背負った若者たちが、時たまチャリで横を駆け抜けていく。

大通りへ出て、高速道路と交差する一直線の道の彼方へ目をやると、高速道路の手前に、真っ赤な、巨大な箱型の建物が見える。歩みを進めると、その巨大で真っ赤な箱は、まるで迫ってくるかのような存在感でそびえ立っている。これが、ニュースでよく見かける、「小學院」の名が刻まれたあの建物である(おそらく体育館)。

建物の全容を目にした率直な感想は、予想以上の巨大さと、強烈な赤のインパクトへの驚きである。伊丹空港に近く、真横を高速が走り、地中にはゴミか埋まりと、子どもの学習環境としては最悪だろう。だが、あたかもそんなのは「些事」だと言わんばかりに、真っ赤な「中華料理屋」のような建物は、異様なまでの存在感を放っているのである。

その下品な赤の色彩に、私は籠池氏の「存念」を強く感じた(「執念」のレベルではない)。「自分たちがやろうとしていることは、まさにこれからの国の行く末を担う、〈真の日本人〉を育むことなのだ!これのどこが間違っているのだ?どこが悪いのだ?なぜこの学校を開かせてくれないのだ!!」。外壁の「赤」は、燃えたぎる血のごとく、その存念の限りを、見る者にまとわりつかせてくる。

籠池氏にとって、そこは自分の「教育者」人生の集大成の場であり、理想的な思想教育を実施する、実践の道場なのだ。多くの右派政治家がその方針に賛同し、様々な形で開校を後押しした。学校新設の許認可から、土地取得、校舎建設と、籠池氏の悲願は、多くの「同志」の賛同と協力を得て、間も無く結実するところだった。ところが、ちょっとした綻びが、アリの一穴になった。掘れば掘るほど、出るわ出るわと、疑惑と腐敗が噴出した。籠池氏は恐らく、自分が違法的・脱法的なことをやったという意識が全くないのだろう。そして、「あのとき、『賛同』とか『協力』とか言った連中に騙されたんや!ハシゴ外されたんや!」と、怨念と存念に悶え苦しんでいるのだろう。

校舎の入り口、「瑞穂の国記念小學院」のプレートを埋め込む予定の門柱に、そのプレートはなかった。間も無く予定通りそこにはプレートが埋め込まれ、籠池氏は満面の笑みで慰撫したことであろう。新築ならではの材木の真新しい臭いも、もはや寒々しい。こんな学校、まかり間違っても開校させてはいけないと思うが、その一方、籠池氏の無念さは、理解できなくもない。要は、「その気にさせた」周囲の政治機構、官僚機構の堕落・腐敗ぶりに、心が燃えてくるわけである。

籠池氏の頭の中では、まさにリヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』の終曲、打ち鳴らされる鐘の音とともに全てが瓦解していく、そんな世界ではなかろうか。ここまで来た以上、全てを実像として、ファクトとして、明確に知りたい。その思いを一段と強くし、現場を後にした。



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