セバスティアン・ヴァイグレ指揮 ユリア・ハーゲン(Vc) 読売日本交響楽団 5/26

先週に続けて、ヴァイグレと読響コンビの演奏会を聴く。日曜午後、みなとみらいホールでのオール・ドイツ・プロ。ワーグナー『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲、シューマンのチェロ協奏曲、そしてベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』という超名曲プロ。ちょっとひねりがなさすぎる感じもするが、常任指揮者就任の景気づけ?といくことでよしとして聴きにいく。

ヴァイグレの音楽に関しては、先週も記したが、とにかく以前の東京・春・音楽祭の『マイスタージンガー』の生真面目で遊ばない演奏がトラウマになっていているのだが、きょう冒頭の『マイスタージンガー』前奏曲では、正直その時の記憶が蘇ってきてしまった。よく言えば超堅実なのだが、まさに歌劇場のワーグナーという感じで、楽劇本体の序奏のような趣。とにかくどんどん進んで、溜めもへったくれもなく、「推進力」という一語に尽きる印象。あんまり面白くない。そして、強烈な眠気に襲われた。

続くシューマンのコンチェルトでも残念ながら眠気が持続。ユリア・ハーゲンという若手女流奏者のソロも、正直あまり特色を感じず、強いて言えば繊細な雰囲気はあったものの、チェロ特有の憂愁があまり香らない。この間エルガーのコンチェルトを聴いた宮田大の美音、骨太なソロとどうしても比べてしまい、気持ちも乗らず。オケ含め、あまり印象に残らなかった。アンコールにバッハの無伴奏第1組曲からサラバンド。

休憩を挟んでベートーヴェン。編成はギュッと絞られるが、解釈は超オーソドックス。古楽の影響は微塵もなく、ベーレンライター版も採らず。1テンポも中庸~やや速め。決して悪い演奏ではなく、読響元来の機能性も生きているが、とにかく1~2楽章はあまりにも正統派の解釈でひたひたと進むので、「立派だなぁ」以外の感想を特段持てず、時折意識が遠のいた。

第3楽章で一転推進力を取り戻し、フィナーレは結構遊んでいた。変奏曲の主題が弦楽の四重奏で演奏されていたのは、スコアの指示なのだろうか?初めて聴いた気がする。そのあとも、突然旋律をピアノで繰り出したり、新奇な遊びを繰り広げ、荒々しく弦が弓を跳ばしザクザク弾くような部分もあり、やはりこういうのを聴くと純粋に楽しくなってくる。堂々と終曲。

なんとなく、立ち姿など、ティーレマンを彷彿とさせる部分があるが、ティーレマンのような恣意性がなく、正攻法を地で行く解釈。悪く言えば、一本調子で生真面目な感じがあり、下手をすれば本当につまらない演奏を延々と繰り出してしまうのでは、という危惧も抱く。個人的な好みとしては、もっともっと遊んでほしい。そうでなく正攻法で行くのなら、もっとオケの響きの構造を、ヴァィグレの志向するものへと変えて行ってほしい。今後に期待。

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