アラン・ギルバート指揮 東京都交響楽団 7/24

アラン・ギルバート指揮の都響。かつて何度も震えるほどの感動を味あわせてくれたコンビだが、ここのところ、やや演奏が「普通」になっている感があり、残念に感じていた。きょうは平日マチネ、東京芸術劇場でのコンサート。プログラムはモーツァルトの『プラハ』交響曲と、ブルックナーの『ロマンティック』交響曲という、美しい名曲のラインナップ。結論から言うと、快心の演奏だった。平日マチネにもかかわらず、通と思しき客でかなりの入り。

まず『プラハ』だが、奇をてらわない堂々たる名演。テンポは心持ち早めだが、先鋭的な古楽奏法の影響などは微塵も感じさせず、楽器をよく鳴らす。聴いているだけで幸福感を覚える音楽であり、演奏。第1楽章のみ、展開部以降の反復を省略していたように聴こえ、そらだけが気になった。

ギルバートは、ボリューミーなメイン・プログラムの前に、古典派やロマン派のコンパクトなシンフォニーを据えるプログラムをよく組むが、この前プロが毎度極めて秀逸だ。以前聴いたシューベルトのシンフォニーは舌を巻くほどの名演だった。古典派やロマン派の王道プロをしっかりと聴かせられる指揮者はこの時代貴重だ。

後半は『ロマンティック』。美しいフレーズには事欠かないが、緩急の対比が目まぐるしく、正直時折退屈になる曲でもある。全曲暗譜で振ったギルバート、ブルックナーに恐るべき適性を見せた。とにかく呼吸が深く、フレージングがしなやか。オケを最大限に鳴らしきり、ブルックナーの醍醐味である金管のフォルテと弦の輝かしいトレモロが一体的に響いて、音の大構築、大伽藍が築き上げられる。

大柄な体躯のギルバートが目一杯に腕を膨らませると、オケからフワーッと響きが広がっていき、ホールに深々と鳴り響く。あまりに稀有壮大な音楽に言葉が出ないほど満足。

ここ最近、マーラーの1番、そして『春の祭典』とギルバートを聴き、勢いはあるのだがやや平板でストレートにすぎる印象を抱いていたが、きょうのコンサートでギルバートへの信頼を個人的に取り戻した。都響もきょうはよく鳴り、安定した金管も素晴らしくうまかった。コンビの良さを再確認できた。

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