トーマス・ダウスゴー指揮 ユリアンナ・アウデーエワ(p) BBCスコティッシュ交響楽団 10/30

トーマス・ダウスゴーという指揮者は名前は知っているものの実演・録音合わせてほとんどその演奏を聴いた記憶はなく、オケのBBCスコティッシュ響もよく知らず。BBCプロムス初の日本引っ越し公演みたいな触れ込みでの公演、水曜晩にオーチャードホールにて。舞台には花が飾られ、各楽曲ごとに照明演出も工夫される。

プログラムは、メンデルスゾーンの『フィンガルの洞窟』、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、マーラーの交響曲第5番という長大なもの。コンチェルトのソリストはユリアンナ・アウデーエワ。

正直、ほぼ印象が持続しないコンサートだった。とにかく、オーケストラの音の響きに何の魅力もない。ダウスゴー、個人的なイメージとしては「すっきり系」の指揮者だと思っており、メンデルスゾーンからしてフレージングはテキパキと進めていくのだが、オケの音がもどかしいほど響いて来ず、プレイヤーの技量もいまいちで、一言で言うと「ただ鳴っているだけ」。

チャイコフスキーの協奏曲、ユリアンナ・アウデーエワのピアノということで期待したが、これもまぁ想像の範囲内。ダウスゴーの指揮ぶりは好戦的なものだが、オケの反応が鈍いからか、ソリストと指揮者・オケが火花を散らし合うような丁々発止のコンチェルトとは全くならず。アウデーエワも、もっと食ってかかるような演奏をするのかと思いきや、意外と収まりがよく、それほど煽らない。テクニックにもところどころ瑕疵が散見され、以前ソロ・リサイタルを聴いた時よりは随分「音楽が丸みを帯びたなぁ」という印象。それにしても、このコンチェルト、正直言って苦手だ。どこをどう聴いたら良いのか分からない。個人的にはヴァイオリン協奏曲の方が圧倒的に好き。ソリストのアンコールはなし。別にいらないと思った。

後半はマーラーの5番。前半がこんな具合だったから、相当嫌な予感がしており…予感的中。正直、意識が遠のくほどどうしようもないマーラーだった。ダウスゴーなりに表現したいものはあるのだと思うが、オケの非力さも合わさって、正直何を描きたいのかが1ミリも分からず。音楽への興味・共感が感じられず、音符、フレーズの扱いが雑すぎる。各楽器、不満が残ったが、締まりのない打楽器に絶句した。シャリーンとカスカスのシンバルがなるたびにずっこけそうになった。一番面白かったのは3楽章。ダウスゴーのメリハリの効いた音楽づくりが楽しめた。

アンコールに威風堂々第1番。有名な旋律のところでダウスゴーが客席に振り向いて指揮をして煽っていたが、この音楽の歌詞なんてまったく知らない…。

このコンサートは、BBCスコティッシュ響の普通の来日公演という建てつけとは何がどう違うのだろうか?

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