井上道義指揮 読売日本交響楽団 12/6

大好きな音楽ながら、なかなか実演で聴く機会のないマーラーの交響曲第3番を聴く。指揮は井上道義。東京芸術劇場でここのところやっているマーラーの交響曲全曲演奏会の一環。夏の交響曲を、真冬に聴く。そういえば、去年の8番も井上道義指揮の読響だった。

井上道義がマーラー指揮者として知られていることは知っているが、とは言え、正直なんで井上道義なんだ、と思う節も個人的にあり。今回の3番も、マーラーならでは、とりわけこの3番という100分の大交響曲ならではの「エクストリーム」な感じがあまり感じられなくて、感動できず。

長大な第1楽章から、どうも面白くない。地道なテンポで進んでいくのだが、楽器ごとの抉りが足りず、馬力の読響の本領が生きず。冒頭のホルン然り。トロンボーン・ソロの音色がきわめて質実で素晴らしいのだが、一箇所音が詰まってグリッサンドができないミスがあり、ヒヤッとした。音楽全体は、流れも悪く、井上の変な指揮姿だけしか印象に残らない感じ。

第2楽章の方がずっと良い。テンポは遅いが、細部までよく遊ぶ。第3楽章も然り。第4楽章は舞台の照明をぐっお落として池田香織のアルト・ソロにスポット・ライトが当てられる。深みのある表情であるが、感動には至らず。第5楽章は合唱が加わり華やかで楽しめる。この短い楽章のために女声合唱と児童合唱とは、本当にコスパが悪い交響曲である。

そして大好きな第6楽章。第1楽章の冒頭のホルンの主題をベースにしたテーマが、とにかく慈愛に溢れていて泣ける。井上の演奏は悪くないのだが、それにとどまる感じ。本人はプログラムにマーラーへの異様なまでの共感の弁を寄せているのだが、正直それほどまでの共感は演奏からは感じられない。そして、すべてを補って余りあるくらい、変な指揮姿が音楽を台無しにする。

好みはあるのだと思うが、この時代、あえて井上道義の指揮でマーラーを聴く必要もないなと感じさせられた演奏会だった。終演後は大いに沸いていたけど。全体的に管のミスも目立った印象。

ところで、マリス・ヤンソンス が亡くなった。体調不良とは聞いていたものの、信じられない。本当にショックだ。また改めて自らのヤンソンスのコンサートでの記憶を振り返って綴りたい。

奇しくも、ヤンソンス /オスロ・フィルのマーラーの3番のディスクが最近リリースされた。2000年ごろの録音のようだが、オスロ・フィルの技巧含めて、とんでもなく素晴らしい演奏だ。さらに、最近分売された、バイエルン放送響との『巨人』交響曲のCDも大変な名演だ。とにかく若々しい。ヤンソンスは素晴らしいマーラー指揮者だったと思う。

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