パーヴォ・ヤルヴィ指揮 レティシア・モレノ(Vn) NHK交響楽団 2/5

N響のB定期、実はこれまで聴く機会がなかった。平日晩のサントリーホール。ラフマニノフの交響曲第2番という大好きな音楽がメイン・プログラムだ。指揮はパーヴォ・ヤルヴィ。ここのところ、自分自身はヤルヴィ/N響のコンサートでほとんど心が動いた経験がない。会場は大盛り上がりでも…。正直、相性が悪い指揮者なのかもしれない。昔はマーラーの3番や『ドン・ジョヴァンニ 』などの素晴らしい演奏に遭遇することもあったのだが、ここのところ、本当につまらないと思うようになってしまった。ひょっとすると、NHKホールというハコの問題かもしれないし、ラフマニノフの2番のような音楽だったら、推進力抜群のヤルヴィの指揮も合うかも知れない…そんな期待を胸に足を運んだコンサートだったが、印象は覆らなかった。

前半は、スペインの女流ヴァイオリニスト、レティシア・モレノをソリストに迎えてのプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番。好きな曲でないせいか、正直、1ミリも心が動かなかった。悪い演奏でもないのだろうが…。終演後の拍手も冷めている。正直、アンコールは全然不要だと感じたが、惰性の拍手が続いて、ソリストがまた出てきて、バッハを弾き始めた。正直、音程が安定せず、ハラハラしてあまり落ち着いて聴いていられない演奏だった。終盤は技巧が安定し、繊細な音を奏でていた。

ヴァイオリニストは悪いと思わないのだが、日本人の一部の聴衆はアンコール貧乏性に囚われているのではないかと感じることがしばしばある。本当に、もう一度ソロの音色を楽しみたいと心の底から思って拍手しているのだろうか??条件反射みたいに、だらだらと拍手しているだけのように感じてしまう。個人的には、ソリストに対しても失礼だと思う。

休憩を挟んでラフマニノフ。一部ハッとする部分は
あったが、正直、ほとんど心が動かなかった。16型のオケとは信じられないくらいに、オケの音が響かない。かつてのN響の弦楽セクションって、こんなに和声感のカケラもない音を出していただろうか?前はもっと魅力的に響いていたように思うのだが…。全曲通して55分ほどで、スッキリした解釈が基調。第1楽章冒頭などの思わせぶりな木管の弱音は面白いのだが、進むにつれてどんどん音楽が平板になり、単調になり、ただ運動的にメロディが進んでいく。第2楽章も勢いだけ。第3楽章、クライマックスに向け加速しながら音を畳みかけていく演出は成功していて、ここが今日の演奏では白眉だった。第4楽章はただ推進力があるだけ。木管、金管は比較的うまい。終演後の客席はまずまずの反応。

この交響曲、ノット&東響、広上&京響など、日本の他のオケでの素晴らしい実演に接してきた。きょうのヤルヴィ&N響は、控えめに言っても比較にならない。N響の気合いが足りない、という訳ではないとは思うのだが、ちょっと、ヤルヴィの音楽性をオケは信用しすぎているのではないか、と感じてしまう。2022年までヤルヴィとの契約を延長するという判断が本当に良かったのだろうか?ヤルヴィはオケによって器用に指揮スタイルを変えられる指揮者だが、その持ち味がN響とは決してうまく行っていないと思う。まもなくヨーロッパツアーにこの交響曲を引っ提げて行くそうだ。曲が曲だけに、何とかなるのかもしれないけど。

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