ワレリー・ゲルギエフ指揮 ダニエル・ロザコヴィッチ(Vn) PMFオーケストラ 7/31

PMFは毎年特別な面白さがある。きょうも最高に面白かったし、いい演奏だった。そして、最大の収穫は、ヴァイオリン界の天才的な新星に出会えたことだ。スウェーデン生まれのダニエル・ロザコヴィッチという若干16歳の少年だが、しなやかで流麗な、おそるべき音楽性の持ち主だった。瞠目した。次世代のトップスターだろう。オケは、ことしもゲルギエフが振った…
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二期会 『ばらの騎士』 セバスティアン・ヴァイグレ指揮 読売日本交響楽団 7/29

めっちゃめちゃ感動した。感涙した。最高だった。ほぼ文句なし、超高水準なオペラ上演。とりわけ、ヴァイグレの指揮する読響が最高。巧すぎる!完璧すぎる!シュトラウスの完全無比な音楽に陶然とした。 オール日本人キャストによる声楽陣もおしなべて高水準。妻屋秀和のオックス男爵がコミカルな演技もあってとりわけ出色だった。リチャード・ジョーンズの…
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チョン・ミョンフン指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 『復活』 7/23

2週続けての『復活』で、今週はチョン・ミョンフンという、これまたマーラーの泰斗が振る。もちろん期待して聴きに出かけたが、結果は非常に不満。さっぱり感動できず。先週のノット/東響の圧勝。ただ、今日のコンサートはオーチャードホールが会場だったので、音響が最悪。自分が座った1階席後方中央部は、音像が茫洋としていて、細部の動きがまったく聴き取れ…
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エリアフ・インバル指揮 東京都交響楽団 『大地の歌』ほか 7/16

連日のマーラー、本日は芸劇にて『葬礼』と『大地の歌』。昨日は『復活』を聴き、きょうはその『復活』の第1楽章の初稿である『葬礼』を聴くというのも一興。指揮は、マーラーの大御所、インバル。インバルと都響の組み合わせは、以前マーラー・ツィクルスの5番を聴き、衝撃的な完成度の高さにノックアウトされた。本日も大いに期待。 インバルのマーラー…
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ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 『復活』ほか  7/15

実は、『復活』実演は初めて。ジョナサン・ノットという優れたマーラー指揮者が東響で振るということで、満を辞してミューザ川崎に向かう。ノットがバンベルク交響楽団を振ったマーラー全集はお気に入りのCDで、とりわけ声楽入りのナンバーの鮮やかな捌き方が印象的だったため、東響ではどうかと期待も高まる。 前プロは、細川俊夫氏の『嘆き』。デュトワ…
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フランチェスコ・トリスターノ ピアノ・リサイタル 7/9

期せずして(と言ったらめちゃめちゃ失礼だが)、超絶的にエキサイティングなコンサートで、久々の大満足。爽快極まりない後味で、心踊るような至福の2時間だった。個人的に、全クラシック音楽のうちで最も好きな『ゴールドベルク変奏曲』が演奏されたからでもあるが、何よりプログラム後半、全く知らないバロック期の秘曲から、トリスターノの自作のクールな曲ま…
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シモーネ・ヤング指揮 ベフゾト・アブドゥライモフ(p) 読売日本交響楽団 6/24

魅力的なプログラムで、しかも馬力の読響のパフォーマンスということなので足を運んだ。女流指揮者ヤングは、去年東響のコンサートを聴いて以来だが、かなり硬直したブラームスに違和感たっぷりだった。きょうは『アルプス交響曲』ということもあり、力で押しまくる演奏も聴いてみたかったし、前プログラムがアブドゥライモフとのプロコフィエフというのも大変魅力…
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ジャン=マルク・ルイサダ ピアノ・リサイタル  6/18

日曜午後、紀尾井ホールにて、ルイサダのショパン名曲リサイタルを聴く。これ以上望めない至福な状況設定である。ルイサダの実演は3回目だが、さすがショパン弾き、とにかく「ショパンらしいショパン」を弾く。ロマンティックで、甘く、美しい。絶妙なルバートから、刷毛で軽やかに払いのけるようなグリッサンドまで、ショパンの妙味が凝縮し尽くされている。そん…
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新国立劇場『ジークフリート』 6/14

飯守泰次郎氏のワーグナーは、去年聴いた『ワルキューレ』があまりにも素晴らしくて大感動し、今回の『ジークフリート』も心底期待していたのだが、結果的には前回の感動には遠く及ばなかった。オケの違いと、何より作品の性格の違いが大きいかもしれない。飯守氏がプログラムに書いているように、『指環』4部作の中ではスケルツォのような楽劇で、やや「軽い」と…
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エサ・ペッカ・サロネン指揮 諏訪内晶子(Vn) フィルハーモニア管弦楽団 5/20

日曜に引き続いてのサロネン/POであり、やっぱりこの人の才能はすごいと改めて恐れ入った。同時に、オケ、とりわけ金管のうまさに改めて舌を巻いた。ただ、あんなに壮絶な『悲劇的』を聴いてしまったので、やや今日は消化不良感があり、加えて、多少「策士策に溺れる」印象を受けたのも事実。初めて聴く諏訪内さんは恐ろしく音色が美しいが、演奏そのものにはそ…
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チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル 5/17

先日のコンチェルトに引き続いての、チョ・ソンジンのリサイタル。誤解を恐れず言えば、今日は完全なる「大人のチョ・ソンジン」を聴くリサイタルで、ショパンの素晴らしさはもちろんのこと、舌を巻いたのは完璧無比なるドビュッシーである。これ以上の洗練があるだろうか?これほどまでピアノを「弾きこなす」ピアニストがどれほどいるだろうか?これだけ上質な時…
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エサ・ペッカ・サロネン指揮 チョ・ソンジン(p) フィルハーモニア管弦楽団 5/14

大型プログラムによる超お楽しみ演目のコンサートで、めちゃくちゃ楽しみにしていたのだが、ベートーヴェン、マーラーともに信じられないほどの超名演で、ぶっ倒れそうになった。まずソリストが、個人的に大いに買っているチョ・ソンジンであり、しかも指揮者がお気に入りのサロネンであり、しかもプログラムの後半は『悲劇的』なので、もうこれ以上何を望もうかと…
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ウラディーミル・フェドセーエフ指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 5/13

久々にフェドセーエフを聴く。今年でもう85歳になるそうだ。端正で、派手な事はやらないが、味わいがあり、心に沁みる。緩徐的な楽句では驚くほどに音量とテンポを落とし、これが最高にニュアンス豊かで、心に迫ってくる。大フィルは、相変わらず好調。 【前半】 ・ウェーバー : 歌劇『オベロン』序曲 ・ウェーバー : 交響曲第1番 ハ長調 …
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新国立劇場 『フィガロの結婚』 4/26

大感動してしまい、涙が止まらなかった。『フィガロ』は人類の宝であり、人間が結晶した宝石だ。美しく、憂いを帯び、はかなく、しなやかで、力強く、アイロニカルで、シンプルで、シンフォニックで、ドラマティックで、かつ最高に人間的なのだ。きょうの舞台は、オーケストラ、歌手、演出、すべてが高水準で、とりわけ照明をフルに生かしたシンプルな演出は筆舌に…
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【CD評】ジャック・ルヴィエ ラヴェル ピアノ曲集 ほか

「春はあけぼの…」、という清少納言の名文句にならえば、私にとっては「春はラヴェル」である。いっきに咲いて散る桜、その下で上気する人々、吹き抜ける温かみを帯びた風、厳寒の冬が過ぎ去ったことへの心のたかぶり、そして出会いと別れ、…こうした要素を五感で目一杯に感じるとき、頭の中に、『マ・メール・ロア』の古雅なメロディーが、ひとりでに鳴り始める…
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ファビオ・ルイージ指揮 ニコライ・ズナイダー(Vn) NHK交響楽団 4/16

久々のファビオ・ルイージだが、相変わらず動的であり、エネルギッシュであり、力感に満ち、歌わせ、盛り上げ、サービスの限りを尽くす、魅力的な音楽だった。頭のアイネムから、最後のマーラーまで、徹頭徹尾エネルギーに貫かれ、ズナイダーの貫禄抜群のソロは、広大なNHKホールを、たった一梃のヴァイオリンで支配する。きょうのN響は、NHKホールにあって…
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シルヴァン・カンブルラン指揮 読売日本交響楽団 4/9

大いに「買っている」カンブルラン&読響による、ハイドン&マーラーという超お楽しみ演目だったのだが、結果はまぁまぁ。2月に聴いたチャイコフスキーのような神がかった演奏を期待していたが、イマイチのらない。超高機能集団であるはずの読響も、いまいちコンディションがよくない。ホルンは外しまくり、弦も管に埋没しがち。これも仕方あるまい。オーケストラ…
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マレク・ヤノフスキ指揮 NHK交響楽団 『神々の黄昏』 4/4

溌剌たる、最高に透明度の高いワーグナー。桜満開の上野で大感激!指揮者ヤノフスキはもう78歳なのか!信じられない!歯切れよく、小気味よい、透徹した弦のアンサンブルに、超一級の歌手陣!オペラ(楽劇)を演奏会形式で聴くことの醍醐味を、初めて身体で感じきれた、稀有なパフォーマンスだった。この音楽祭、個人的には数年前にセバスティアン・ヴァイグレ指…
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【雑記帳】インバルのマーラーを聴いて大発見したこと

昨夜、インバルとベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団によるマーラーが、テレビで放映されていた。実演で聴いたコンサートだ。当夜ホールにあふれた豊麗な弦の響きは、全く追体験できなかった。それは残念。テレビだから仕方ないけれど。そして、前半のワーグナーでは、思わぬ瑕疵ばかりが目立って、白けてしまった。あの日は随分感激したのに、印象が変わってし…
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【CD評】ラファエル・ブレハッチ バッハ・アルバム

この間のシフのリサイタルは素晴らしかったなぁと、つぶやき続けている。どれもが珠玉の演奏だった。何より、そのピアノの音が充満する「空間」が、あまりにも上質で豊かだった。あの夜、大都会の一角の、照明が極限まで落とされた夢幻的なコンサートホールに、星がきらめくような清澄なピアノの音が響いていた。その記憶を、いくらでも味わい尽くしていられる。 …
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アンドラーシュ・シフ ピアノリサイタル 3/22

アンドラーシュ・シフは、間違いなく現代最高のピアニストである。とりわけ、バロックと古典派、そしてシューベルトにかんしては、右に出るものは誰一人としていない。テクニックもニュアンスも、全てにおいて次元が違う。圧倒的である。シフのシフたる所以を、骨の髄まで味わい尽くすリサイタルだった。ピアニズムの神がオペラシティに舞い降りた。 ・モー…
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エリアフ・インバル指揮 五嶋龍(Vn) ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団 3/19

やっぱりインバルのマーラーはすごい!昨日に引き続き大感激。『巨人』は名演至難楽曲だが、インバルは完璧にこの交響曲を自分のものとして手中に収めきっている。そして、五嶋龍のメンデルスゾーンがこれまた面白い。とことん丁寧に弾きこまれ、すこぶる個性的な演奏。インバルの質実な伴奏も冴え渡る。完成度が高い名演だ。 【前半】 ・ワーグナー 楽…
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尾高忠明指揮 宮田大(Vc) 大阪フィルハーモニー交響楽団 3/18

尾高忠明と大フィルによる渾身の超名演に、大感激してしまった。このオケを聴くのは何年ぶりだろう。こんなに「鳴り」のいいオーケストラだっただろうか。金管の一部に不安定さがあったとはとは言え、一体化したドライヴ感が痛快なまでに冴え渡り、この大名曲の、圧倒的な大名演を成し遂げた。「英雄」の冒頭から、その豊かき音圧に涙が溢れてきてしまった。 …
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【雑記帳】疑惑の現場を歩く ~ 大阪・豊中 「 瑞穂の国記念小學院」にて 3/17

あまりにも報道が盛り上がってきて、ワイドショーも、ニュース番組も、「籠池劇場」一色である。籠池というオッサンのパーソナリティの「面白さ」に依る部分が大きいとは言え、今回の事案は、2つの大きな構造的問題を明らかにした。1つは、「長期政権下で膨張・腐敗しきった権力の(虚像的な)実像」であり、もう1つが、「私学という運営形態を隠れ蓑とした、恐…
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クシシュトフ・ウルバンスキ指揮 NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団 3/15

昨日のエリシュカとは全く正反対の、新世代の驚異的な才能と遭遇し、大いに衝撃を受けた。以前からウルバンスキの名前はちょくちょく見かけていたが、こんな名門オケの日本ツアーを振るような指揮者であるとは知らなかった。そして、今日の演奏を聴いて、「こりゃあすごい才能やわ」と恐れ入った次第である。ピアノのアリス・紗良・オットも素晴らしかった。大阪、…
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ラドミル・エリシュカ指揮 札幌交響楽団 3/14

いやぁ、立派なブラームスだった。素晴らしい。名匠エリシュカと、相性抜群の札響の東京公演。チェコの音楽ではなく、純独墺の、超ド名曲プログラムだ。普段だったら「ナメとんか」とスルーする曲目ラインナップだが、このコンビでなら聴いてみたくて、東京芸術劇場に足を運んだ。平日晩にもかかわらずほぼ満席。人気を物語る。 【前半】 ・メンデルスゾ…
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エリアフ・インバル指揮 ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団 3/13

インバルのマーラーということで、大いに期待してすみだトリフォニーホールにでかけ、収穫はまずまずといったところ。ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団とは、旧ベルリン交響楽団とのこと。テクニカルな面ではそれほど際立っている印象は受けなかったが、日本のオケにはない和声感があり、音もなかなかヒューマンで、特に弦がふくよかに鳴るのが気持ち良い。 …
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アンドレア・バッティストーニ指揮 松田華音(pf) 東京フィルハーモニー交響楽団 3/12

巷で大人気のバッティストーニの真価を確かめるべく、オーチャードホールに突撃。正直、バッティストーニブームは、CDレーベルや音楽事務所発の「官製相場」ではないかと訝しがっていたが、大いなる誤解だった。恐るべき才能である。かの宇野功芳氏も晩年褒めそやしていた指揮者だが、その絶賛評も納得。素晴らしく情感豊かで、本能に迫る演奏をする。『悲愴』を…
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ダニエーレ・ルスティオーニ指揮 東京都交響楽団 2/26

非常に複雑な余韻のコンサートである。結果的には満足だったのであるが、演奏にはかなり不満足であったのである。前半のデュカスとレスピーギは面白かったが、ベルリオーズは驚くほど雑な演奏で、怒りが湧いてきたのである。が、指揮者もオケも必死であり、私の周囲の客もノリノリであり、それにごまかされ(?)、「これもありか」という気分になってきて、気持ち…
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パーヴォ・ヤルヴィ指揮 NHK交響楽団 2/23

期待しすぎたからか、大いに肩透かしをくらい、がっかりした。まったく感動できなかった。パーヴォ・ヤルヴィはこんなにテンションの低い演奏をする指揮者だっただろうか。N響の弦楽セクションはこんなに非力だっただろうか。唯一の救いは、管楽セクション(特に金管)が大好調だったこと。一階ど真ん中の良席を確保し、平日のマチネーに喜び勇んでみなとみらいホ…
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【雑記帳】『冬の旅』その後 ~ 「私」とは何かを考え続けている

先日『冬の旅』を聴いてから、現代社会への強烈な違和感が、まさに「カラス」のように、頭の中でクルクル飛び回っている。『冬の旅』で若者が死ぬ気で悩み抜いた「生きにくさ」や「むなしさ」が、いまの日本ではあまりにも意図的に隠蔽されきっている気がするのだ。社会が欺瞞で溢れかえっている気がするのだ。「見たくないものは見ない」、「知りたくないものは知…
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マーク・パドモア(T) ディル・フェルナー(Pf) 『冬の旅』 2/14

最近絶賛評を連発しまくっているが、きょうの『冬の旅』を聴いていて、魂が凍りつきそうになった。現代を生きる我々に、グサグサと音を立てて突き刺さってくるような、残酷極まりない音楽ではないか。心をかきむしられるような苦しさを感じ、よろめきながら会場をあとにした。 ・シューベルト 歌曲集『冬の旅』 リートの実演は大昔にマティアス・ゲ…
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【テレビ番組の感想】 『報道ステーション』 2/13

いつものように『報道ステーション』をみていたら、双日総合研究所という「シンクタンク」の、イニシャルY.T.というチーフ・エコノミストが滔々と発言していた。聞いていてどんどん不快になってきて、書かずにはいられなくなった。この程度の人が報道の看板番組でコメンテーターとして通用してしまうところに、この国の情けなさが凝縮されている。 不快…
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【CD評】ギドン・クレーメル(Vn) バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータ

チョン・キョンファのリサイタルが転機となって、バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータが、自分の人生への贈り物のような音楽になってきた。毎日聴きあさっている。ちょっと前までは、抹香臭い音楽だと感じて、やや遠ざけていた。何という変節だろう。この変わり身の早さが自分でもイヤになる。ただ、それだけチョン・キョンファからのサジェスチョンが…
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シルヴァン・カンブルラン指揮 シモーネ・ラムスマ(Vn)読売日本交響楽団 2/5

おそるべき音楽シーンにきょうも居合わせてしまった。コンサートの度に衝撃を受け続けている自分は感性のハードルが低すぎるのだろうか、いや、やはりきょうの爆演はあまりに衝撃的だ。自分が知っているチャイコフスキーとは全く別物だ。あまりに個性的な音楽づくりに、終始仰け反りっぱなしだった。 【前半】 ・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 …
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ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 レイ・チェン(Vn) 新日本フィルハーモニー交響楽団 2/4

土曜の午後からこんな超名演が聴けるのだから、幸せである。ポピュラーな名曲2曲が並んだプログラムだが、とりわけチャイコフスキーは信じられない熱量の大名演で、魂が震えた。チャイコフスキーの絶望が肉薄してくる。厭世観がむせ返る。聴いているだけで苦しくて仕方がなくなる。超絶的な熱演だった。新日本フィルも上手い。 【前半】 ・メンデルスゾ…
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チョン・キョンファ ヴァイオリン・リサイタル 1/28

チョン・キョンファのリサイタル、しかも曲目は、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタと無伴奏ヴァイオリン・パルティータ全曲という、重量感たっぷりのものだ。ただ、個人的にはこのバッハの無伴奏がいささか苦手だ。CDで聴いていても、あんまり面白く感じない。チョン・キョンファなら、2時間ぶっ通しで「聴かせる」演奏をしてくれるのではと、期待を胸にサン…
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ピエタリ・インキネン指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 1/21

すばらしいブルックナーを聴いた。こんなにクリアな響きで「うるさくない」ブルックナーは珍しく、その意味ではすこぶる個性的なのだが、「ブルックナーの音楽を満喫した」という充実感はすごい。ど迫力の、大伽藍のような構造物を期待して聴くと肩透かしを食らうかもしれないが、これはこれで、完成され、熟成されきった大名演だ。 ・ブルックナー 交響曲…
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チョ・ソンジン ピアノ・リサイタル 1/17

恐ろしい才能に息を呑み、戦慄した。ことし一発目のコンサートは、一昨年のショパン・コンクールの覇者、チョ・ソンジンのリサイタル。これが、あまりにも素早しいコンサートだった。彼のショパンは超一級の神品だ。溢れんばかりの才能を感じ、慄然とし、感極まった。22歳の若き可能性に、恐怖感すら覚えた。なお、平日にもかかわらずサントリーホールはほぼ満席…
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【CD評】ジョルジュ・プレートル指揮 シュトゥットガルト放送交響楽団 ブラームス 交響曲第1番 ほか

ジョルジュ・プレートルが亡くなった。92歳だったそうだ。息長く活躍した指揮者だった。世評高い、マリア・カラスとの『カルメン』や『トスカ』は半世紀前の録音だ。直近ではウィーンのニューイヤーコンサートを振ったり、すっかり巨匠の仲間入りを果たした感があった。自分も一度VPOとの来日公演で実演に触れられたのは幸いだった。そんな折、ヴァイトブリッ…
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【CD評】エド・デ・ワールト指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウヘボウ管弦楽団 フランク 交響曲ニ短調

このところクラシックの新譜CDは、あまりに不作でつまらなすぎる。レーベルの企画力が弱すぎる。業界が不況だという事情は分かるにせよ、特にオーケストラ分野の新譜の弱さは、なんとかならないのか。少しでも渇きを癒したいと、先日ノット/東響のブルックナーの8番を購入。ところが、あまりにも薄い響きに心底がっかりしてしまった。心に引っかかる部分が何一…
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【本の感想】『「自分」の壁』(養老孟司著/新潮新書)

「この人の本を読むのが楽しみでしょうがない」という著者が、いま3人いる。一人は内田樹氏、もう一人が藻谷浩介氏、そして養老孟司氏だ。考え方や論調は三者三様だが、はっきりしているのは、3人とも「自分のことば」で、社会を、日本を鋭く射抜き、語っている点だ。決して浮遊した言葉ではなく、あくまで自らの頭、身体から紡がれる言葉で。そして、暮らしの延…
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【本の感想】『属国民主主義論』(内田樹・白井聡著/東洋経済新報社)

「思想的な色眼鏡で社会を見ることはやめよう」と日々心がけてはいるのだが、とは言え、現在の“リベラル”の言論の弱さには、心の底からため息が出る。“保守”を自認する人たちの言説は、盲目的なまでの自己肯定と徹底的な排他に満ちていて、ちょっと目も当てられない。そこに論はない。ところが、民主党政権時代に「わが世の春」を謳歌したリベラルは、安倍政権…
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【本の感想】『電通とリクルート』(山本直人著/新潮新書)

備忘録として、日ごろの読書の「感想」を書いていくことにしたい。「書評」を書けるほどの読解力も見識もないので、あくまで「感想」。いいコンサートを聴き終わった後の感覚的興奮と同じく、いい本を読んだ後の知的興奮はたまらない。そんな出会いを求めて本を読み続けているわけだが、いかんせん、「読みっぱなし」では記憶も薄れる。本の内容を自らの血肉とする…
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【CD評】ワレリー・ゲルギエフ指揮 マリインスキー劇場管 チャイコフスキー 交響曲第4番 ほか

気まぐれでCD評を。先日の日ロ狂騒曲に影響されてか、最近無性にチャイコフスキーが聴きたくなる。特に交響曲の4番が聴きたくなる。こんなに土臭いのに、どこか洗練されていて、むき出しで感覚に迫ってくる音楽は他にない。特に第1楽章が最高だ。雪道をひたひたと歩くような第2楽章も心に迫る。4番には、5番のような人工臭もないし、6番のようなネクラな感…
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ヘルベルト・ブロムシュテット指揮 NHK交響楽団 『第9』 12/24

今年のコンサート納めで、ブロムシュテット/N響の第九。あまりの名演に心が震え、恥ずかしながら、涙腺が崩壊しっぱなしだった。N響の第九はこれまで何度もきいてきたが、今日の演奏が断トツベスト。何度となく聴いてきたブロムシュテットの実演の中でも、今日の第九がベストかもしれない。神ってるとしか言いようがなかった。至高のベートーヴェンだった。 …
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シャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団 『カルメン』 12/11

これまたいいコンサートに巡り合った。デュトワ/N響の『カルメン』。このコンビの信頼関係が如実に現れた好演で、幕を経るごとに音楽が目に見えて良くなっていった。惜しむべくは、主役カルメン(ケイト・アルドリッチ)の非力だ。むしろ、エスカミーリョ(イルデブラント・ダルカンジェロ)とミカエラ(シルヴィア・シュヴァルツ)の奮闘が印象的。 第1…
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イーヴォ・ポゴレリチ ピアノ・リサイタル 12/10

これが噂のポゴレリチか…。一度は実演に接したいと思い続けてきた、怪僧ポゴレリチ。ついに目の前に現れた。天才か、ゲテモノか。怖いもの見たさで蓋を開けてみると…うーむ、世評通り超個性的。良くも悪くも彼の世界に引きずりこまれた。しかし何より、疲れ果てた。 【前半】 ・ショパン : バラード第2番 ヘ長調 ・ショパン : スケルツォ第…
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ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 『コジ・ファン・トゥッテ』 12/9

ノットの指揮するコンサート形式での『コジ・ファン・トゥッテ』は、まさにコンサート形式ならではの上質な舞台だった。モーツァルトの音楽に酔いしれた。さながら、芝居小屋で白熱した演劇を見ているような幸福な時間でもあった。 ノットは、通奏低音のハンマーフリューゲルも担当。座ったり立ち上がったり、八面六臂の活躍だ。「音楽に一貫性をもたせたい…
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マリス・ヤンソンス指揮 バイエルン放送交響楽団 11/23

勘弁してくれ。ヤンソンスとBRSOのマーラーの9番は、卒倒するほどの名演だった。昨日のパリ管の凄絶な5番の余韻も醒めやらぬというのに…。明日から仕事に復帰だが、感動しすぎて、働く気力を完全に失った。言葉が見つからない。ホールを覆うマーラーの深い響き…こんなに豊かで満ち足りた時間は、ほかにちょっと見当がつかない。 マーラー:交響曲第…
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