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zoom RSS 【CD評】エド・デ・ワールト指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウヘボウ管弦楽団 フランク 交響曲ニ短調

<<   作成日時 : 2017/01/13 11:54   >>

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このところクラシックの新譜CDは、あまりに不作でつまらなすぎる。レーベルの企画力が弱すぎる。業界が不況だという事情は分かるにせよ、特にオーケストラ分野の新譜の弱さは、なんとかならないのか。少しでも渇きを癒したいと、先日ノット/東響のブルックナーの8番を購入。ところが、あまりにも薄い響きに心底がっかりしてしまった。心に引っかかる部分が何一つなかった。「分厚い響のオケが聴きたいなぁ」と反動が生じ、普段はあまり購入しない「復刻モノ」に手を伸ばした。デ・ワールトとコンセルトヘボウ管によるフランクの交響曲。1979年、アナログ末期の録音だそう。

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フランクの交響曲がコンサートのプログラムに名を連ねているのを見かけることは、ほとんどない。有名曲だが、「渋すぎる」とか、「循環主題の押し付けがましさが嫌い」、といった意見があるようだ。

でも、このデ・ワールトの演奏は、まさしくベネルクスの本場で、指揮者とオケが水を得た魚のように躍動する魅力的な演奏だ。コンセルトヘボウヘボウ管の、タクトに反応する瞬発力はすさまじいもので、管弦の絶妙なブレンドが、ドイツともフランスとも異なる、フランクの音楽の独特な官能を醸している。ときたまフワフワと浮かび上がってくるトランペットの法悦の響きに心をさらわれる。

デ・ワールトも言わずと知れた名匠だが、若かりし頃から中堅どころのころが、一番脂が乗っていたのだろうか。過度に重々しすぎず、推進力があり、一方でオケのハーモニーとアンサンブルを最大限に活かしている。

この曲に関しては、カルロ・マリア・ジュリーニの数種の録音が神品として崇められており、自分もウィーン・フィル盤やスウェーデン放送響のライブ盤を聴いた。噂に違わぬ大演奏だが、やや異形な感じもして、繰り返し聴きたいとは思わなかった。

ところで、デ・ワールトのフランクを聴いてハッと気付かされたのだが、曲の随所で、弦が半音階でうねるような旋律を弾く。これが、さながら『トリスタンとイゾルデ』のようだ。また循環形式で、決まりもののモティーフで楽曲を貫徹させる手法も、『ニーベルングの指環』のようだ。フランクはワーグナーを聴き、影響を受けたのだろうか?

フランク熱が急きょ高まり、フランクの地元、ベルギーのリエージュのオケが演奏する同曲の演奏も取り寄せた。指揮は、かつて新日本フィルのシェフを務めたクリスティアン・アルミンクだ。ところが、これまた響きが薄く、熱量が弱い。『トリスタン』のような音など微塵も感じられない。やはり、オケの伝統と格式がモノを言う部分も多いのだろう。

なお、ワールト盤のカップリングは、ワーグナーとチャイコフスキーの管弦楽曲。ワールトのワーグナーでは、2000年以降に入れたエクストン盤が、演奏・録音含めて最高で、『マイスタージンガー』や『ローエングリン』の前奏曲が聴きたくなったら、今でもまずこれに手を伸ばす。とにかくオススメだ。

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