酔いどれ音楽&読書日記―一人の愛好家の独白

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zoom RSS エリアフ・インバル指揮 ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団 3/13

<<   作成日時 : 2017/03/13 22:14   >>

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インバルのマーラーということで、大いに期待してすみだトリフォニーホールにでかけ、収穫はまずまずといったところ。ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団とは、旧ベルリン交響楽団とのこと。テクニカルな面ではそれほど際立っている印象は受けなかったが、日本のオケにはない和声感があり、音もなかなかヒューマンで、特に弦がふくよかに鳴るのが気持ち良い。

【前半】
・ワーグナー 楽劇『トリスタンとイゾルデ』〜 前奏曲と「愛の死」
【後半】
・マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調

魅力的なプログラムである。因縁の2人の作曲家が並ぶ。そして、前プロのワーグナーの素晴らしさには圧倒された。弦の美しい質感を生かしきった、呼吸の深い演奏で、音の渦に飲まれる。独立した管弦楽曲として十二分な聴きごたえがある。

休憩を挟んでいよいよマーラー。私は、インバルのマーラーに大いに入れ込んでおり、CDも入念に買い揃えている。何と言っても、4年前になろうか、みなとみらいホールで聴いた、都響との第5番の超弩級の名演の記憶が、未だに脳裏に鮮やかだからだ。「これがマーラーだ!」という確信がみなぎった、文字通り「完璧」すぎる演奏に打ちのめされ、身体の芯がビリビリと痺れるような衝撃を食らった。共感がにじみ、魂が乗り移り、マーラーの情念と存念がホールに轟音として鳴り響いた(当日、極度の体調不良だったが、吹っ飛んだ)。エクストンレーベルから発売されている当ライヴ録音は、私のマーラーコレクションの大きな一角を占める。

そして、今日の演奏だが、都響との感動には遠く及ばなかった。インバルも、齢81、加齢のため減速したのか、それとも来日直後のコンディションの問題か、オケの違いかは分からないが、集中力は、圧倒的に都響との演奏に軍配が上がる。

とは言え、インバルのマーラーは、やっぱり「特別」だ。細部まで解釈が入念に磨き上げられており、完全にこの大曲を手の内に収めている。とりわけ第1楽章、かなり風変わりな塩梅で弦を鳴らし、聴いたことのないようなニュアンスが続出するが、とにかく自信満々に指揮をし、オケを操るので、安心して身を委ねられるのである。

この交響曲のクライマックス、第2楽章が、やや推進力に欠けたのが残念だったが、アダージェットは別格だった。インバルのテンポ、デュナーミクは変幻自在で、緊張感に満ちたピアニッシモの音は、失神するほど美しかった。

フィナーレは、「どないしたんや!?」とずっこけそうになるほど荒っぽい雑な演奏だったが、言葉を変えれば推進力が素晴らしく、コーダの大見得の切り方も、「さすがインバル!」と快哉を叫びたくなるほど徹底している。かくして、会場中がブラヴォーの大嵐、カーテンコール後には久々の一般参賀あり。

パーフェクトには程遠かったとは言え、それなりの満足感(最近では、去年11月のハーディングとパリ管によるこの曲のパフォーマンスが最高だった)。インバルは当代最高のマーラー指揮者の1人だという自分の評価は覆らず。終演後楽屋にブラヴォーを言いに行ったが、かなりお疲れの様子。ただ、満ち足りた表情。

今週末は、このコンビを大阪で聴く予定。

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