藤岡幸夫指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 6/22

渡邊暁雄生誕100周年記念コンサートを聴きに行く。オケはもちろん日フィル。きょう、6月22日は、日フィルの設立記念日でもあるらしい。オートャードホールでは、パーヴォ・ヤルヴィとN響による『トゥーランガリラ交響曲』という注目公演もあったが、最近個人的にシベリウス強化月間なので、日フィル公演をチョイス。指揮は、この曲を十八番とする藤岡幸夫。上皇・上皇后陛下もご臨席。サントリーホールは非常に華やかな雰囲気。

非常に盛りだくさんなプログラムで、冒頭『フィンランディア』から始まり、続いてガーシュウィンのピアノ協奏曲(各楽章、渡邊暁雄氏のご子息 康雄氏と規久雄氏、そしてその妻 寺田悦子氏が弾き分ける)、小山清茂の『管弦楽のための木挽歌』、休憩を挟んでマーラーのアダージェット、そして最後にシベリウスの交響曲第5番、というもの。このうち、『フィンランディア』と交響曲第5番は、ちょうど1週間前、インキネンの指揮する同じ日フィルで聴いたばかり。

『フィンランディア』から、非常に入魂の演奏。呼吸が深い。細部まで息吹が吹き込まれていて、大曲のような重厚感。合唱はアマチュアだと思うが、意欲とエネルギーは十分に伝わる。名旋律に早くも涙腺崩壊の危機。

続いてのガーシュウィンは、正直同じピアニストで通しで聴きたいが、今日はイベント的な要素も強いので致し方ないか…。ただ、やはり楽章ごとにカーテンコールで寸断されると、やはり流れが悪い。演奏は、楽章が進むにつれてオケがみるみる滑らかになり、ガーシュウィンのスウィングを楽しむ。ピアノ・ソロも、個人的には楽章が進むにつれて良くなったと感じた。なお、日フィルの第1回定期でも、この曲が演奏されたとのこと。驚き。

小山清茂という人は全く知らなかったが、この管弦楽のための木挽歌も、渡邊暁雄&日フィルコンビが初演したとのこと。盆踊り、祭囃子が賑やかで響きも面白い佳曲だが、やはりこの手の音楽となると、『管弦楽のためのラプソディ』の面白さに一日の長があるやように聴こえる。

両陛下は前半でご退席。立ち上がって拍手で見送る人も多くて、若干圧倒された。

後半のアダージェット。これは暁雄氏への祈りのような演奏。冒頭は流れよく進むが、後半はコブシの効いた入魂の表現。

そして、いよいよ5番。個人的には、先週のインキネンの演奏より曲に入り込めた。藤岡の解釈は非常にクリアで、なおかつ描写的でもある。シベリウス自身のガンの克服、さらに、ロシアからのフィンランドの独立という2つのイベントを軸に、「暗→明」の音楽を鮮やかに描く。第2楽章は、いまだに個人的にいまいち本質を捉えきれていないのだが、藤岡は「水の精」と表現。なるほど、そう言われて見れば、水滴がピタピタと滴り落ちるような精妙な美しさがある。そしてフィナーレはとりわけ見事。雄大な山々、そして、連れ立って飛ぶ16話の白鳥。藤岡がスピーチで語っていたように、ホルンによるメインテーマは、ポップスのメロディに転用できそうな美しさだが、その美しさを、変に躊躇うことなく正々堂々と押し出すところがいい。最後の強烈な和音の連打による終結は、サントリーホールのような残響の豊かなホールで聴くと、まさに山々に音がこだましているようで、美しい。

非常に楽しめた。さらにシベリウスに凝ってみたい、と思う。

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